手術翌日の13時過ぎに病室へ入りました。
「折目さん、私、分かる？」
と、聞くと
「分かるよ、せっちゃん」
と、笑顔で答えてくれました。
意識も戻り、元気よく見えたのですが…
医師からは、
「頭を手術しているので、しばらくは、ポイントのない
会話をします。でも、落ち着いてきますからね！」
と言われた意味は、数日後の会話ですぐに分かりました。
「せっちゃん、結婚した早稲田の横の
カレドナル教会に又、行きたいね！」
と言うのです。
でも、【結婚】の項を見て頂けたらお分かりのように…
私たちは西鉄グランドホテルで挙式しました。
後々分かったことですが、大学の頃、結婚するなら
その教会！だと思っていたのだそうです(苦笑)
又、ある日の面会では、
「先生がバレンタインのお返しに香水を使うから、
15個用意をしてくれ！」
なんて、言うのです。主治医の先生に確認すると、
「僕にも、そう言われましたよ。
香水だから、きっと仕事を思い出しているのでしょうね。」
と言われました。
ある日、ナースステーションを通りかかると、
看護婦さんが、
「折目さんは、今、かくれんぼ、してますよ！」
と言うので、行って見ると、
「お母さん、有里がお風呂の中に隠れて、
安里がトイレに隠れて・・」
と、言うのです。
私は、「ほんとーっ！」と笑顔で返しましたが、
やはり、不安になり先生に確認しました。
「本当に、大丈夫なのですか？」
とお訊ねすると、
「大丈夫ですよ、しばらくしたら落ち着きますから」
と笑みを浮かべて、優しく応えて下さったので
心から安心しました。