自動車免許

家庭内復帰も落ち着いてきた頃、真剣な顔で
「せっちゃん、お願いがあるっちゃん！」
と、切り出すのです。

「なぁに？」 と、言うと
「運転免許をもう一回取り直したいと思うけど、
お金、ある？そして、ついてきてくれる？」
と…  

その申し出には、驚きと同時に不安がよぎりました。
片眼失明の上、片足首も動きにくいのに…
大丈夫？

咄嗟に、ごまかすように…
「明日、銀行に行ってみてから考えよう！」
と、答えました。

でも、そこで私自身戸惑いつつも思い直しました。
この先、運転をするにしてもしないにしても、
運転免許を取得し直すことで、社会復帰の自信に
繋がるなら、それはきっ良いことだっ！と。

また、ついて行くことは簡単だが、きっと彼は気遣いを
してしまうだろうとも考えました。そこで、
「私も一緒に免許を取りたいから、教えてくれる？」
と申し出て、彼と私の気持ちは1つになりました。

ただ、1つ難問が私の中に頭をもたげました。
それは… 義父です。

入院中に外泊の件で激怒されたことを思い出すと、
又、憤怒されるのではないか？
という懸念..
怒らせないように、報告しなければなりません。
その為、報告ではなく二人で相談の形にしよう！
という事に決め、話してみることにしました。

すると…
意外にもすんなりと賛成してくれました。
「必ず、一緒に行動してくれよ！」
との条件依頼にて・・

そうとなったら、早速にも１日も早い実現をめざし、
スケジュールを立てました。

もう1つの問題点…娘たちのことがありましたが、
またもや温かい手を差し伸べて下さる神浦さん(*「検査まで」の項)に
甘えさせて頂きました。
幼稚園のお迎えが間に合わない場合は、
代わりにお迎えをお願いすることに。
本当に、彼女への感謝は言葉に言い尽くせません。