一般病棟の折目さんの荷物をまとめるように‥
と、看護婦さんの指示を受け、病室に行きました。
同室の方々は、目線だけをしっかりと送って頂き、
無言で頭を下げて見送って下さいました。
折目さんのところに戻ると、先生が、
「斎場は決めておられますか?」
と訊ねられたので、
「まだ、なにも…」と、答えると
「良かったら、ご紹介致します。」
と、ご厚意による手配を頂くことができました。
暫くして積善社の方が来られました。
その方の車に、折目さんと私が同乗致しましたが、
その際に、関係頂いた多くの先生方と看護婦の皆さんが
一同に並び、病院を出る折目さんを見送って下さるのでした。
私は、お世話になった稲村先生の前で・・
心より深く‥深く‥頭を下げました。
本当に良くして頂いたのでした。
感謝してもし尽せないほどの思いが溢れました。
ただ、入院の折は正面玄関からだったのに…
病院を後にするに至っては、ココから?
と…
とっても淋しい思いで車に乗り込み、そして・・
折目さんの手をしっかり握ったのでした。
そのようなことが、未だに頭の中に残っています。