ある時、
「二人とも学校を休ませろ!一泊で旅行にいこう!」
と、言うのです。
折目さんの気持ちが痛いほど理解できた私は、
「分かった!学校にお願いしてくるね!」
と、すぐに学校へ向かい、二人の担任の先生に
職員室の廊下まで出てきて頂き、理由を話しました。
「夫は、5年前に頭の手術をしたのですが、
再発のため、再手術をすることになりました。
その前に家族で旅行に行きたいという父親の希望です。
私たち親のわがままを受け入れていただけますか?」
現実を隠すこともなくお願いすると、先生お二方共に、
「どうぞ、どうぞしっかりと思い出を作ってきて下さいね」
と、快く応じて下さいました。
休日を待つことなく、翌日から一泊二日の旅行へ。
別府,楽天地,城島高原などを巡りました。
ゴーカートやジェットコースターに乗り、動物と遊び
家族風呂に入り、豪華なお食事を頂きました。
楽しそうにベッドの上を飛び跳ねて遊ぶ有里と安里♪
その姿を見ながら、折目さんはいつもとは違う微笑を
浮かべていました。
その光景を眺めつつ、私は
『この幸せが、もう少し続きますように…』
『今日の無事を有難うございます。
明日もこの幸せと折目さんの無事をお願い致します』
と、心の中で何度となく祈ったことでしょう。