私にとって、最大のこなすべき難関があります!
それは…
芳野さん宅で、無邪気に遊んでいる愛娘たちに
この状況を伝えなければならないこと!!
入院時には、
「おとうさんは、会社の身体検査だからね」
と、伝えていました。
一体、どのように説明をしようか考えあぐねました。
2階の吉野さん宅に赴き、玄関のチャイムを押しました。
ドアから、芳野さんが出てこられ、
「折目ちゃん!」
と言って、私の手を握って下さり涙ぐまれました。
そうしていると…
「おかあさぁん!」
と、あどけない顔をした娘たちが出てきます。
「あのね!」
と、切り出そうとした時…
芳野さんが後ろから、二人の肩にしっかりと
手をかけてくれました(感謝です(涙))
「おとうさんはね‥
一生懸命に‥一生懸命に‥頑張ったんだよ。
でもね・・・・・・・・」
(息がつまりそうでした)
「今、連れて帰ってきてるし…下に降りようね!」
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暫くの間…
娘たちと三人で眠っている折目さんの横に
座っていたと記憶しています。
娘たちは…
白い布を被せられたおとうさんの姿に、
何を感じ取っていたのでしょう...
布を取った姿…
右前頭部に大きな脱脂綿をテープで貼られた顔は
彼女たちに、どう映ったのでしょう...
未だに、その時のことを口にしたことがありません。