再発!?

頭蓋咽頭腫手術から、
早くも5年が過ぎようとしていました..

1995年12月のある日

「(見える)右目の見え方がおかしい」
と、訴える折目さんっ!shock.png


私の頭の中は、真っ白となり、
ひと言も発することができませんでした。


すぐに病院へ赴きました。
気の遠くなるような長い時間…
検査後、不安な気持ちを抱え、
廊下で待ちました。

看護婦さんに呼ばれ、診察室へ入ると、

「視野が狭くなったみたいですね。
もう一度手術をするか、このまま放射線で
治療をしていくことになるかと思います」
との医師の説明を受けました。


1度目の手術の時とは異なる恐怖が、
重くのしかかったことを感じました。


「詳しい検査結果が早くほしいので、
他の病院で検査をしてきて下さい」
との要請を受け、紹介の病院へ向かいました。


検査結果を持ち九大に戻る途中、折目さんが、

「福岡の地理をしっかり、憶えとけよ!」
それは、実に強い口調でした。


私は返事もできず、その後お互いに無言まま..
彼に手の震えを悟られないように!と、
手が痛くなるほど力いっぱいにハンドルを握りしめ、
ひたすら運転をしたことだけが記憶にあります。

この先盲目になるかも知れない!?
という恐怖感に耐えられない彼の思いが…
強く表現された言葉だったのだろうと思います。


その足で折目さんの両親の所へ。状況を話しました。

折目さん自身の低く重い口調の説明後は、
永遠に続くのではないかと思うほどの
沈黙・・・・・
延々と...

 

その空気があまりにも重過ぎた私は、
「でも、両眼失明になったら、私の片目を
付けたら、二人とも少しずつ見えますよね!」
と、精一杯に明るく発しました。


すると、すかさず義母が
「それなら、私の目を!!」
と、はっきりとした口調で言われたため、
その後の私は、何も言えませんでした。

我が子を思う親の切なくも苦しい無償の愛情を
充分に感じ取った故です。

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