微弱の陣痛ばかりで大きな波がきません。
そうしていると、折目さんが心配そうな顔で
病室に入って来ました。
でも、すぐに自宅に帰ってもらいました。
それは、有里のためです。
病弱な母独りでは、食事・お風呂の世話は
無理だと考えたからでした。
翌日も微弱の陣痛だけで、一日が過ぎました。
そして…1986年(昭和61年)12月25日
有里1歳 の誕生日の朝
長い微弱の陣痛が落ち着いたと 思った瞬間に・・
大きな波となり、朝の9時45分に女の子が
元気に誕生しましたっ
なんと、元気な泣き声だったことでしょう
お医者さまが
「ご主人に、元気な女の子だと報告しなさい」
と、看護婦さんに指示していました。
暫くして、看護婦さんが戻って来られ、
「『先生、本当に有難うございました』
と、おっしゃっておられました。」
と、報告が耳に入り、私はなぜか涙がこみあげてきて、
先生に手を合わせました。
「赤ちゃんは、暫くして、母乳を吸わせて下さい」
と、看護婦さんが病室に連れてきました。
頭が少し大きめの里芋のようで、一生懸命に
吸っているんでしょうねぇ~
若干、ゴクゴクと喉を鳴らしたような気がしました。
本当に、可愛くて・・
何だか力強い赤ちゃんだと感じました。
名前は、折目さんが既に決めていたようでした。
大学時代に長期間、沖縄へ旅行をしたことが
あったそうですが、その沖縄には、”安里”という
言葉があって、 「可愛い」又「美しい」という意味が
あるらしく、安里と名付けたいというのでした。
ようこそ☆安里