ICU…そして独りきりの大晦日

ICUのウォーターベッドに移され、裸で寝ています。
お布団はなく、大きなバスタオルを掛けてあります。
そこに、看護婦さんが付いていて下さっています。

私達が入る際も、消毒をして帽子とエプロンが必要です。

 

看護婦さんが用意をして下さったスチームタオルで
顔や首を拭き、手のひら・指の間を拭きながら
「有里と安里は幸子姉ちゃん達と大牟田に行ったよ!」
と報告をして、暫くの間温かみを覚えるため手を握り締め、

「又、明日来るよ!」
と言葉をかけて、帰りました。

 

誰もいない自宅に戻り、ボーッとしていると…
折目さんの事が鮮明に思い出され、悲しさと寂しさと切なさが募り、
怖くて我慢ができませんでした。
20代の頃から、親しくさせてもらっている金山さん(なっちゃん)に
思わず、電話をかけていました。

 

「もしもし、夏ちゃん」

と言っただけで、涙で言葉になりませんでした。

夏ちゃんも泣いてくれていました。

 

悲し過ぎて悲しみを抑えきれない、どうしようもない大晦日でした。

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