毎日、毎日が検査ばかりでしたが、
意外にも折目さんは、笑顔で接してくれていました。
ある時、先生に呼ばれました。
「やはり、腫瘍ができています。病名は、恐らく
頭蓋咽頭腫でしょう。取り除く手術が必要なので、
なるべく早い時期におこないましょう」
と告げられました。
私は、
「本人は知っていますか？」
と聞くと
「ご主人にもお話しています」
と言われました。
「腫瘍ができている場所が、各機能を司る場所で
ホルモン関係にも影響します。
現在、子供さんは２人 おられるようですが、
元来医学的には、考えられませんよ。」
とおっしゃられました。
(娘２人が授かったのはやはり奇跡なのでしょうか)
私は、しばらく気持ちを整えて、どんな顔で病室に戻れば
いいのか？考えましたが、折目さんが笑顔で接してくれて
いることを思うと、私も頑張って普通に戻ろうと部屋を出た
ところ、なんと
外に折目さんが待っていてくれたのです
折目さんの顔を見た瞬間、涙が溢れ出し止まらなくなりました。
泣いている私の肩に手を回して、
「ほんの少し切り取ってくるだけやけ、２人を頼むぞ！」
と、はっきりとした口調で逆に励まされたのでした。
きっと、先生に告知を受けながら、泣いているだろう
と心配し、部屋の外で待っていてくれたのでしょう。
どんな時も、私の気持ちを考えてくれる心優しき人です。